問 2 化合物a〜eに関する芳香族性の記述ア〜オについて、正しいものの組合せは
どれか。
ア ヒドリド(hidride)がとれると、6π電子
系となり芳香族化する。
イ 芳香族性はHuckel則(4n+2)でn=2
の例である。
ウ 非共有電子は芳香族性に寄与していない。
エ プロトン(proton)がとれると、6π電子系
となり芳香族化する。
オ 非共有電子が芳香族性に寄与している。
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解答
ア−e シクロペンタトリエンからヒドリド(H+)が脱離するとシクロペプタトリエンの炭素陽イオンが生成し、環状の7個の炭素上に6個のπ電子が非局在化しているため方向族性を有する。
イ−a 10π電子系の芳香族化合物なので、ヒュケル則(4n+2)のn=2の場合に相当する。
ウ−b ピリジン。ピリジンは6π電子系の芳香族化合物であるが、窒素が持つ非共有電子対は、p軌道ではなく、sp2軌道に占有されているため、方向族性には関与しない。
エ−d シクロペンタジエン。シクロペンタジエンからプロトン(H+)が脱離すると、炭素陽イオンが生成し、6π電子系の方向族性を有するようになる。このためシクロペンタジエンは他の不飽和炭化水素より酸性が強く、強塩基の作用によりプロトンを失い炭素陽イオンを発生する。
オ−c ピロール。ピロールは、4個の炭素のおのおのがπ電子を1個供出し、sp2混成軌道を形成した窒素原子が2個の電子を供出している。これにより6π電子系の方向族性を有する。