問 16 互いに共役である酸塩基対をある濃度以上含む溶液に、少量の酸や塩基を加え
たり、水を加えて薄めたりしても、その溶液のpHは大きく変化しない。このよ
うな溶液をpH緩衝液といい、次式の関係がある。
pH=pKa + log[base]/[acid]
次の記述の[ ]に入れるべき数値の正しい組合せはどれか。ただし、酢
酸のpKa=4.74とする。
A 酢酸と酢酸ナトリウムの各々0.200mol/L水溶液を等
容量ずつ混合した。最も近いpHは、[ ]である。
B Aの溶液100mLに1.00mol/L塩酸1.0mLを加えた。
最も近いpHは、[ ]である。
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a |
b |
1 |
3.74 |
3.65 |
2 |
4.74 |
4.65 |
3 |
5.74 |
4.83 |
4 |
4.74 |
3.65 |
5 |
3.74 |
4.65 |
解答
A CH3COONaは、弱酸と強酸の塩であるので、完全に解離している。またCH3COOHは弱電解質であるので、解離度は非常に小さいので、解離は無視して考えることができる。
CH3COONa→CH3COO- + Na+ CH3COOH →CH3COO- + H+ (この解離は無視できる)
それぞれ0.200mol/L水溶液を当量混合したので、酢酸及び酢酸イオンの濃度はいずれも0.200mol/Lである。式に当てはめると、
pH = pKa + log[0.2]/[0.2]= 4.74 + 0 = 4.74
B 緩衝液の問題であるので、pHの変化は大きく変化しないのが当然である。