問 22 次の分析法について、非破壊的で測定後に試料の回収が可能なものの組合せは
どれか。
a 質量分析法 b 円二色性測定法 c 原子吸光光度法
d 赤外分光法 e窒素定量法(セミミクロケルダール法)
1(a、b)2(a、c)3(b、c)
4(b、d)5(c、e)6(d、e)
解答 4
a× 質量分析法は、試料を電子衝突してイオン化し、試料の分子量などを測定する。正確な分子量が分かり分子式を推定できる。
b○ 円二色性とは、一般に光学活性物質と呼ばれる分子内に不斉炭素をもつ分子中を直線偏光が通過するとき、旋光性と同時に円二色性が観察される。この円二色性は左右の円偏光に対する分子吸収係数が異なることに起因する。円二色性測定法は光学活性な物質の絶対配置などの決定などの為に用いられる。試料を適当な触媒に溶かして光の吸収を測定。非破壊的。
c× 原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用して元素の濃度を測定する方法。試料を気化して測定する。
d○ 赤外分光法は、分子を構成する原子核間の振動状態が低エネルギー状態から高エネルギー状態に励起する際に赤外線を吸収する現象を利用する。固体、液体、気体試料にも適用できる。分子構造の推定、特に官能基の推定に有用。試料を臭化カリウムと混合して、錠剤化したり、適当な触媒に溶かして測定するので、回収は可能。
e× 窒素定量法(セミミクロケルダール法)は、窒素を含む有機化合物を硫酸で分解し、硫酸アンモニウムとし、そのアンモニアを定量する方法。従って、回収は不可能。