問 23 核磁気共鳴に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 核磁気共鳴は原子核スピンの励起に伴う現象なので、周辺電子の状態は共鳴
位置に影響を及ぼさない。
b 核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波
長の短いラジオ波領域の電磁波が用いられる。
c 通例、溶媒として有機溶媒を用いた場合は、内部
基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用
いる。
d プロトン間のスピンースピン結合定数は、外部磁
場の強さには影響されない。
解答
a○ 核磁気共鳴スペクトルは、原子核のスピンの励起に伴う現象であるが、シグナルの共鳴位置は周辺電子の状態によって大きく変わる。
b× ラジオ波は赤外線より波長は長い。
c○ 有機溶媒を用いる時は,基準物質として、TMSを用いる。D2Oが触媒の時は、DSSを用いる。
d× スピン−スピン結合定数は結合している原子核間の状態によってのみ決定されるので、蒸気の化学シフトは、外部磁場の影響を大きく受ける。