問 25 質量分析法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 装置はイオン化部、加速部、質量分析部及び
検出部よりなる。
b 本法は気体試料にのみ適用できる。
c スペクトルは、通常、横軸に質量電荷比
(m/z)、縦軸に強度の最も大きいイオンを100
とした各イオンの相対強度を示す棒グラフで表
される。
d フラグメントイオンの生成過程における結合の開裂様式には、単純なラジカ
ル開裂及びイオン開裂のほかに転位を伴う場合がある。
e 高分解能で測定すると、各イオンの組成式を知ることがてきる。
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解答
a○ 試料を電子衝突によってイオン化し、電圧をかけて加速する。同時に質量分析部で磁場をかけるとイオン粒子が力を受けてその軌道は曲げられる。最後にその粒子を検出する。
b× 高度真空下で気化するものなら固体、液体にでも適応できる。最近のマススペクトルは分子量数万のタンパク質まで測定可能である。
c○ スペクトルは、質量電荷比とそのイオン強度で決まる。スペクトルで最も高いピークを基準ピークと呼び、この高さを100としてたのピークを相対強度で示す。
d○ ケトン、アルデヒソ、カルボン酸、エステル等のマススペクトルで観測される六員環状型遷移状態を経由する開裂反応であるMcLafferty転移がある。
e○ マススペクトルによって、元素や官能基、さらにイオンの分解の仕方から分子構造を調べることができる。