問 41 アミノ酸及びたん自質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれ
か。
a たん白質の紫外吸収スペクトルを測定すると、通常280nm付近に吸収極大
を示すが、これは構成アミノ酸中の塩基性アミノ酸に由来している。
b たん白質は、等電点で水に対する溶解度が低くなる。
c 塩基性アミノ酸は、中性付近で、陽イオン交換樹脂に酸性アミノ酸よりも吸
着されやすい。
d giutamic acidは、oxaloacetic acidからアミノ基転移反応によって生合成
される。
1(a、b)2(a、c)3(a、d)
4(b、c)5(b、d)6(c、d)
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解答
a× 蛋白質は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンのような芳香族アミノ酸が存在するため280nmに吸収を持つ。
b○ アミノ酸は1分子中にアミノ基とカルボキシル基を持つ両性電解質であり、水溶液中では両性イオンとして存在する。アミノ酸の電荷は溶液のpHにより変わる。+と−の電荷が等しく分子全体として電荷0のときのpHを等電点という。等電点において、アミノ酸、蛋白質ともに溶解度は最小となる。
c○ 中性付近では塩基性アミノ酸は全体として+に荷電しているため、陽イオン交換樹脂に吸着される。中性アミノ酸や酸性アミノ酸は吸着されない。
d× オキザロ酢酸にはアミノ基はない。グルタミン酸とオキザロ酢酸はGOT(グルタミン酸 オキザロ酢酸トランスフェラーゼ)によりアミノ基転移を受け、α‐ケトグルタル酸とアスパラギン酸を生じる。もう一つのアミノ基転移反応は、グルタミン酸とピルビン酸はGPT(グルタミン酸 ピルビン酸トランスフェラーゼ)によりα‐ケトグルタル酸とアラニンを生じる。これらのアミノ基転移反応はGOT,GPTにより、ビタミンB6補酵素存在下のもとで行われる。