問 47 中枢神経系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 大脳新皮質は、自律神経系の高位中枢であ
る。
b 海馬は、記億の形成に重要な役割を果たして
いる。
c 筋紡錘は、骨格筋の伸展を中枢に伝える感覚
器である。
d 脊髄は、中心部の白質と周辺部の灰白質から
なる。
e 延髄は、呼吸、循環の中枢として働き、生命維持に重要である。
解答 4
a× 視床下部が自律神経の高位中枢である。自律神経反射は延髄レベルで行われるが、より高度な調節は、脳幹網様体(延髄、橋、中脳)で行われ、さらに最高位の調節は視床下部で行われ、大脳皮質の基本的活動を担っている。大脳皮質は身体の運動,知覚並びに言語のほか、高次な精神活動をつかさどる連合中枢である。
b○ 海馬を中心とした領域が記憶にとって重要な部位とされている。海馬を切断すると記憶障害が生じ、最近の記憶が失われるが、古い記憶や以前に修得した技能は失わずに、注意力や推理力は正常だという。
c○ 筋紡錘は筋長の伸展と伸展速度を受容して、インパルスを発生し、脊髄の運動ニューロンに伝えて単シナプスならびに多シナプス反射の形でフィードバックし、さらに脳に伝えて高次の運動調節に関与する。
d× 脊髄は、表層に白質(神経繊維)、内部にH字状をなす灰白質(神経細胞)がある。大脳の表層は灰白質(大脳皮質)、内部に白質(大脳髄質)があり、脊髄と大脳は逆である。
e○ 延髄は、呼吸、循環、嘔吐、消化、発汗、排泄等生命維持に不可欠な部分が存在する。