問 52 細胞小器官及び酵素に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ゴルジ体(Golgi body)は、分泌顆粒の形成には関与しない。

b プロテインキナーゼC(Cキナーゼ)によるリン酸化には、cyclic AMPが

必要である。

c 紡錘体の形成は、コルヒチンによって阻止される。

d ミトコンドリア(mitochondria)は、電子伝達系と無関係である。

e 多くの細胞で小胞体は、細胞質ヘカルシウムイオンを放出する。

1(a、d)2(a、e)3(b、c)4(b、d)5(c、e)

 

解答5

a× ゴルジ体(運び屋)は、小胞体で合成されたがここで濃縮された後、リポタンパク質の膜で囲まれて分泌顆粒になる。

b× プロテインキナーゼCによるリン酸化には、cAMPは関与しない。cAMPが関与するのは、プロテインキナーゼAである。

Gsタンパクの活性化→アデニル酸シクラーゼの活性化→cAMPの増加→プロテインキナーゼAの活性化→タンパク質のリン酸化

Gqタンパクの活性化→ホスホリパーゼCの活性化→DG,IP3の産生→プロテインキナーゼCの活性化、Ca2+の遊離

c○ コルヒチンは植物及び動物の細胞分裂を停止する紡錘糸の形成を阻止するため、有糸分裂は中期で停止する。

d× ミトコンドリアは主に、エネルギー(ATP)産生に関与する。電子伝達系、脂肪酸β酸化などに関与する酵素がミトコンドリア内膜に存在する。

e○ 横紋筋、自律神経節などで、小胞体からCa2+が遊離する。