問 126 局所麻酔薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 触覚、温感、痛覚の順に感覚が失われる。
b 局所麻酔薬の作用を持続させる目的て、塩酸
エピネフリンのような血管収縮薬が併用され
る。
c 塩酸プロカインは組織浸透性が低いので、表
面麻酔には不適当である。
d オキセサゼインは強酸性条件下でも有効であ
り、胃粘膜局所麻酔薬として用いられる。
e 血中に移行したリドカインは、血清及び肝のエステラーゼによって速やかに
加水分解される。
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解答
a× 一般に細い神経繊維の方が太い神経繊維よりも局所麻酔薬の作用を受けやすい。従って知覚神経(痛覚→温覚→触覚)→自律神経→運動神経の順に麻痺させる。
b○ エピネフリンは、皮膚、粘膜、内臓の小動脈は収縮するが(α作用)、骨格筋内の動脈、冠状動脈は拡張する(β作用)。低用量では収縮気圧は上昇、拡張期圧は下降→平均血圧は不変もしくはやや上昇。高用量ではα作用優位→収縮期圧、拡張期圧、平均血圧は上昇。従ってエピネフリンの併用は血管を収縮させて、局所麻酔の収縮を抑えて局所に長くとどめ、持続時間を延長するほか、使用量を減少して吸収による副作用を防止できる。
c○ プロカインは組織浸透性が低いので表面麻酔には用いない。また分子内にエステル結合をもつのでChEで分解される。
d○ オキシブプロカイン、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼインは消化器に対する表面麻酔に用いる。これらはコカインと同様に表面麻酔のみに適用。
e× リドカインは、分子内にエステル結合ではなくアミド結合を有するので、ChEで分解されずに肝臓で分解される。