問 138 腎機能に影響する薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはど

れか。

a ヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管で水の

再吸収を促進する。

b アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を阻害する

ために、尿はアルカリ性となる。

c フロセミドは、ヘンレのループ上行脚におけ

る水透過性を促進する。

d スピロノラクトンは、高カリウム血症を起こ

しやすい。

e テオフィリンの利尿作用は、カフェインより弱い。

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解答

a× チアジド系は、Na-H交換系を阻害することによって、Naの再吸収を阻害する。副作用には、低K血症・高尿酸血症・高血糖・高脂血症・光線過敏症などがある。

b○ アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬で、H+の産生が阻害され、Na-H交換系が阻害されNa再吸収は阻害されることによって利尿作用を示す。H+の排泄が阻害されるので、尿はアルカリ性・体液はアシドーシスになる。

c× ループ利尿薬であるフロセミド(エタクリン酸)は、ヘンレ係締の上行部に作用してNa・Clの能動輸送系を阻害する。作用が強力である。副作用としてまれに難聴がある。

d○ K保持性利尿薬であるスピロノラクトン・カンレノ酸カリウムは、抗アルドステロン作用を示しNa-K交換系を阻害し、Naの再吸収を阻害する。Kの排泄を阻害するので副作用として高K血症がある。

e× テオフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害することによって、強心作用を示し腎血流量を増加することによって利尿作用を示す。この作用はテオフィリン>テオブロリン>カフェインの順である。