問 143 血液に作用する薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a エリスロポエチンは、赤芽球系前駆細胞に働き、赤血球への分化・増殖を促

進し、血中の赤血球数を増加させる。

b G-CSFは、顆粒球コロニー刺激因子であり、抗がん薬などによる好中球減

少症の治療に用いられている。

c 血液凝固抑制薬として用いられているワルファリンカリウムは、ビタミ

ンKの拮抗物質として作用し、フィブリノーゲン生成を抑制する。

d ウロキナーゼは、プラスミノーゲンを活性化し、生成するプラスミンの作用

を介して、血液凝固を抑制する。

e アスピリンは、血小板のシクロオキシゲナーゼを抑制することにより、プロ

スタグランジン合成を抑制し、血小板凝集を誘発する。

1(a、b)2(a、d)3(b、c)4(c、e)5(d、e)

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解答 1

a○ 赤血球の産生は、腎臓で産生されるエリスロポエチンのよって調節される。エリスロポエチンは骨髄に作用し、赤血球前駆細胞から正赤芽球への分化を促進する。(腎臓は酸素分圧を感知する。)

b○ G−CMFは顆粒球系幹細胞に作用し、好中球の産生を促進するとともに、末梢好中球の機能を促進させる。

c× ワルファリンは、抗凝血作用があり、ビタミンKの作用に拮抗してプロトロンビンなどの血液凝固因子の生合成を阻害する。作用発現時間は遅い。ワルファリンは肝臓が作用点。

d× ウロキナーゼは、抗血栓溶解作用があり、プラスミノーゲンをプラスミンに変換して血栓を溶解する。プラスミンはフィブリンを溶解する

e× NSAIDsは、COXを阻害することによって、TXA2合成を抑制して血小板凝集を抑制する。