問 151 下図は、弱酸性薬物(pKa5)の非イオン形分率(A)及び腸管吸収速度定
数(B)と腸管内pHの関係を示している。次の記述の正誤について、正しい組
合せはどれか。
a pHの高い領域におけるBの結果から、この薬物はイオン形による吸収が起
こっていると考えられる。
b pH分配仮説から考えて、Bの結果は見かけ上、この薬物のpKa値が低下
した挙動を示している。
c Bの拮果から、この薬物はpHに依存した担体輪送系により吸収される可能
性がある。
d pHの低い領域において、薬物濃度を100倍にしたとき、Bの結果に比較し
て腸管吸収速度定数が低下したので、この薬物の吸収はpH分配仮説のみで説
明可能である。
解答 1
a○ pH8以上では、ほとんどイオン型で存在しており、グラフ上でも、pH8以上では、非イオン型分率はほとんど0である。腸管吸収速度定数Bは、pH7以上ではほぼ一定の値となっており、イオン型で吸収されることが考えられる。
b× pH分配仮説から考えれば、pHが高くなると、腸管吸収速度定数は限りなく0に近くなり、Bのように一定の値にはならない。
c○ pH分配仮説によれば、イオン型薬物は消化管から吸収されない。従って、イオン型薬物は坦体輸送されている可能性があるy。
d× pH分配仮説では受動拡散のみを考えるので、腸管吸収速度定数は薬物濃度に依存せず、一定のpHでは一定の値をとる。