問 192 前立腺肥大症に関する次の記述について、正しいものの組合せはどれか。

a 前立腺がんとの鑑別診断は、主として薬物反応により行われる。

b 薬物治療に抵抗性の場合は、手術療法が適用される。

c ホルモン療法は行われない。

d 起立性低血圧を生じにくいα1-アドレナリン受容体遮断薬が治療に用いられ

ている。

e 尿路感染症を生じることが多いので、予防的な抗生物質の投与が行われる。

1(a、b)2(a、c)3(a、d)

4(b、d)5(b、e)6(c、e)

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解答

a○ 前立腺肥大症と前立腺がんとの鑑別診断は直腸内触診による。

b○ 進行が進むと外科的手術が必要となる。経尿道的前立腺切除法や開腹手術がある。

c× 前立腺肥大症の要因に男性ホルモンとの関与が考えられており、その治療に抗男性ホルモン薬として女性ホルモンを投与し、腺腫の縮小を図るため、ホルモン療法は重要な薬物治療の一つである。

d○ 前立腺に存在するα1受容体の増加により、前立腺が収縮して尿道抵抗を増加していることが確認されている。したがって、α1受容体遮断薬が用いられるが、その中でも特にα1A、1C受容体遮断薬であるタムスロシンが用いられる。

e× 尿路感染症を合併する可能性はあるが、予防的な抗生物質の投与は行わない。