問 203 次の症例において、失神発作を起こした原因の説明文の[ ]にいれる

語句の組合わせのうち、正しいものはどれか。

[ 症例 ]

26歳の女性。花粉症のためテルフェナジン60mgを1日2回服用して

いたが、さらに、膣炎のため婦人科を訪れたところイトラコナゾール

(2×100mg/day)が処方された。併用3日目のタ方から、失神発作が出現しは

じめたため、翌日入院した。その際の心電図検査の結果は、QT間隔が

580msec、心拍数67/minであった。また、数回のtorsades de pointes(多形性

心室頻拍)が見られ、そのうちの2回は失神発作と関係していた。血清中電解質

濃度は正常であり肝機能も正常であった。テルフェナジンとイトラコナゾールを

中止し、塩酸プロプラノロールが投与された結果、不整脈は見られなくなり、3

日後にはQT間隔も正常になった。

[ 説明文 ]

イトラコナゾールの服用により、肝臓及び腸管の[ a ] が[ b ]さ

れ、[ c ] の血漿中濃度が上昇し、QT間隔が延長して不整脈が起きたもの

と考えられる。

 

 

1 CYPlA2 誘導 テルフェナジンの活性代謝産物

2 CYPlA2 誘導 テルフェナジン

3 CYPlA2 阻害 テルフェナジン

4 CYP2D6 阻害 テルフェナジン

5 CYP2D6 阻害 テルフェナジンの活性代謝産物

6 CYP2D6 誘導 テルフェナジン

7 CYP3A4 阻害 テルフェナジン

8 CYP3A4 阻害 テルフェナジンの活性代謝産物

9 CYP3A4 誘導 テルフェナジンの活性代謝産物

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解答 7

テルフェナジンは、アゾール系・マクロライド系との相互作用によって、CYP3A4が阻害されてテルフェナジンの代謝が阻害されることによって、QT延長・心室性不整脈の副作用が表れる。