問 215 5年前から慢性関節リウマチに罹患し、イブプロフェンを服用していた35歳
の女性患者がいる。手指関節の症状が悪化したため、1ケ月前にインドメタシン
1日50mgに変更したが、その1週間後に発熱し、上腹部に痛みを訴えて入院
した。入院後、直ちにインドメタシンを中止し、1日20mgのプレドニゾロン
を投与したところ、数日後に熱が下がり、やがて痛みも感しなくなったので退院
することになった。このとき、血清クレアチニン値は1.9mg/dLでやや高値で
あった。退院時には、プレドニゾロン1日5mgとスリンダク1日150mgが処
方された。服薬説明にあたって、この患者の薬歴と症状の変化を考察した次の記
述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 入院時の上腹部痛は、インドメタシンによる
胃腸障害のためと思われる。
b プレドニゾロンは、胃腸障害の治療のために
投与された。
c 入院時の発熱は、慢性関節リウマチの炎症に
よるもので、プレドニゾロンによって寛解し
た。
d 退院時の血清クレアチニン値が高いのは、疾患の増悪のためか、もしくはイ
ブプロフェン、インドメタシンによる腎障害が完治していないためである。
e 退院時にスリンダクが処方された理由は、胃腸障害の発生が少ないプロド
ラッグだからである。
解答
a○ インドメタシンは、胃のCOXを阻害してPGE2の生成を抑制するので、胃酸分泌が亢進して消化性潰瘍のたね、胃痛が起ったものと考えられる。
b× プレゾニゾロンは、抗リウマチ薬として用いられている。
c○ プレゾニゾロンの抗炎症作用による。
d○
e○
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