表2 ヒトのチトクロムP-450(CYP)分子種と分類
ファミリー サブファミリー アイソザイム 特徴
CYP1 CYP1A CYP1A1
CYP1A2
アリールハイドロカーボン誘導で発現
ヒト常在型、肺に多く、肝臓に少ない
CYP2 CYP2C

CYP2E
CYP2D
CYP2C9
CYP2C19
CYP2E1
CYP2D6
ヒト常在型
20%の日本人で欠損、臨床的意義大
アルコールで誘導
遺伝的多型あるが、日本人で欠損少ない
CYP3 CYP3A CYP3A4
CYP3A7
30%の薬物が基質、臨床的意義大
CYP3A4と類似
CYP4 CYP4A CYP4A1 プロスタグランジンなどの脂肪酸代謝に関連


表3 ヒトのチトクロムP-450(CYP)によって代謝、または阻害を受ける主な薬物

P-450 P-450で代謝される薬物 P-450を阻害する薬物
CYP1A2 テオフィリン、カフェイン、フェナセチン、プロプラノロール* キノロン系抗菌剤(エノキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン)
CYP2C9 トルブタミド、フェニトイン、ワーファリン、ピロキシカム、テノキシカム、ジクロフェナック、ナプロキセン、イブプロフェン、メフェナム酸、スルファフェナゾール サルファ剤(ST合剤:スルファメトキサゾール)
CYP2C19 オメプラゾール、ジアゼパム*、イミプラミン*、プログアニル、ヘキソバルビタール、メフェニトイン、メホバルビタール オメプラゾール
CYP2D6 アミトリプチン、クロミプラミン、コデイン、デシプラミン、デキストロメトルファン、エンカイニド、フレカイニド、フルフェナジン、イミプラミン**、メトロプロロール、ノルトリプチン、ペルフェナジン、プロパフェノン、スパルテイン、チオリダジン、プロプラノロール**、チモロール、ハロペリドール シメチジン@、キニジン、プロパフェノン、ハロペリドール
CYP3A4 ニフェジピン、コルチゾール、シクロスポリン、エリスロマイシン、リドカイン、キニジン、ジルチアゼム、ベラパミル、ゾニサミド、ジアゼパム**、デスメチルジアゼパム**、タモキシフェン、アミオダロン、エトポシド、ミダゾラム、トリアゾラム、コカイン、ダプソン、テルフェナジン、カルバマゼピン、クラリスロマイシン マクロライド系抗生物質(トロレアンドマイシン、エリスロマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、クラリスロマイシン)アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール@@、ミコナゾール@@、フルコナゾール@@)シメチジン、エチニルエストラジオール、クロトリマゾール@@
* :P-450による脱アルキル化反応
**:P-450による水酸化反応
@ :すべてのP-450を阻害するが、CYP2D6とCYP3A4に対して比較的強い阻害を示す。
@@:すべてのP450を阻害するが、CYP3A4に対して強い阻害を示す。
千葉寛:「ファルマルシア」31、992、(1995) より抜粋