ソリブジンと5-フルオロウラシル系抗がん剤との併用
(薬力学的相互作用の例)
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ソリブジン(1993年、帯状疱疹の治療薬として発売)とフルオロウラシル系抗ガン剤とを併用した患者に、白血球や血小板が急減するなどの重篤な血液障害が続出し、15名ものヒトが死亡する事件が起こった。 |
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これは、図1 に示すように、ソリブジンの代謝物であるブロモビニルウラシルが5ーフルオロウラシル(5-FU )の化学構造と類似しており、そのため、5-FU の代謝が拮抗阻害され、5-FUの血中濃度が急激に上昇した結果生じたものであることが判明した。 |
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この事件は改めて臨床における薬物相互作用の重要性を再認識させることとなった。 |